「臨時バス」に関する記事
2010年12月5日、「奈良マラソン2010」が開催された。奈良県で公認フルマラソンが行われるのは初めてであり、広範囲・長時間に及ぶ交通規制の影響が懸念されたことから、奈良交通は広範囲にわたる路線を8時から15時まで運休するなど、前例のない措置をとった。
早朝の選手輸送から午前の交通規制解除まで、奈良マラソン当日のバス運行の状況を追った。
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選手輸送
奈良マラソンは各種目あわせて1万7千人(定員)が参加する。スタート地点の鴻ノ池陸上競技場に向けて早朝から臨時バスが運行された。車両は奈良・平城営業所の長尺車が充てられた。
午前7時を過ぎると、電車の到着にあわせてバスのりばに数多くの参加者が押し寄せ、バスのりばには長蛇の列ができた。
混雑のピークは7時30分頃。中にはバスに乗るのをあきらめて徒歩で競技場を目指す参加者もいた。しかしピストン輸送の結果、混雑は程なく収まり、8時頃には臨時バスの運行は終了した。
日の出前から臨時バスの運行が始まっていた。 (近鉄奈良駅13番のりば 6時40分頃)
午前7時を過ぎるとバスのりばに列ができはじめた。 (近鉄奈良駅13番のりば 7時頃)
JR奈良駅7番のりばの様子。長蛇の列ができている。 (JR奈良駅7番のりば 7時20分頃)
反対側から見た様子。列は7番のりばから北(写真奥)に延び、南(写真手前)へ折れて、再度北に延びている。 (JR奈良駅7番のりば 7時30分頃)
交通規制開始
8時頃から市内循環はJR奈良駅止めとなり、青山住宅線や奈良天理線なども順次運行が打ち切られた。8時19分に[70]春日大社本殿行きがJR奈良駅を出発し、近鉄奈良駅・奈良公園方面への運行は一旦打ち切られた。
これ以降、シャープ前・三条大路方面の路線はJR奈良駅で折り返しとなった。バスの行先表示は通常どおりであったが、「JR奈良駅止メ」と書かれた紙が貼られたバスもあった。
三条大路方面の路線は、通常はJR奈良駅10番のりばから発車するが、折り返しの都合上、規制時間中は12番のりばから発車した。
近鉄・JR奈良駅のバスのりばには正月輸送を上回る規模で係員が配置され、乗客の誘導・案内に当たった。
8時19分発の春日大社本殿行きをもって、近鉄奈良駅方面への運行が打ち切られた。 (JR奈良駅1番のりば 8時20分頃)
JR奈良駅で折り返す奈良法隆寺線のバス。通常ののりばである10番のりばはここより手前にあるため、規制時間中はのりばを変更した。 (JR奈良駅付近 8時45分頃)
競技の模様
9時スタートのフルマラソンの選手と9時30分スタートの10キロ・5キロの選手が並走して、登大路は人で埋め尽くされた。選手が通過する間は道路横断ができないので、近鉄奈良駅の地下通路は貴重な連絡通路となり、自転車を担いで階段を昇降する姿も見られた。
10キロ・5キロの選手が全員通過した後に、奈良交通の貸切車2台が鴻池方面から高天交差点を右折し、国道369号線の北側車線をゆっくり西進していった。目的は確認できていないが、棄権選手の輸送車とみられる。
東向交差点付近での競技の模様。国道369号線は南端の1車線を除いて、すべてマラソンコースに充てられた。 (東向交差点付近 9時45分頃)
定期観光バス
当日は「A2 奈良公園3名所」と「A3 奈良公園3名所と春日奥山めぐり」は運休したが、「C 法隆寺・西の京」は、近鉄奈良駅ののりばを変更して運行した。
通常は奈良ラインハウス前から発車するが、当日は会員バスのりば(近鉄奈良駅前交番横)から発車した。乗客は係員の誘導により、奈良ラインハウスから近鉄奈良駅の地下通路を通って会員バスのりばに移動した。
会員バスのりばから発車した定期観光バス。 (近鉄奈良駅付近 10時頃)
一部解除
10時40分頃、国道369号線県庁東交差点以西の規制が解除された。
この頃から順次、シャープ前方面の各路線と、三条大路方面の路線のうち奈良富雄線(48系統)が通常運転(近鉄奈良駅発着)となった。ただし、三条大路方面の他の路線は引き続きJR奈良駅で折り返し、12番のりばから発車するため、奈良富雄線も引き続き12番のりばから発車した。
近鉄奈良駅までの運行を再開した奈良白土線のバス。 (JR奈良駅1番のりば 10時40分頃)
周辺の状況
8時頃から15時頃まで、佐保山線は高の原駅-佐保台三丁目で運行し、通常は早朝深夜にしか見られない[117]系統の行先表示が見られた。
加茂線は加茂駅-南加茂台五丁目の運行と発表されていたが、実際には加茂駅-京内橋で運行していた。
この日は1万5千人を超える参加者が大和路を快走し、沿道では多くの観衆が声援を送った。観光客が減少する冬の奈良を盛り上げた点でマラソン開催の意義は大きい。他方、奈良市旧市街地の広い範囲で長時間にわたって公共交通が途絶えたことによる市民生活・観光への影響は無視できない。
奈良マラソンは来年以降も継続して開催されることが決まっているが、次回以降はコース選定や交通規制等において、市民や観光客に影響の少ない方策がとられることを期待したい。
情報源:奈良交通グループホームページ、奈良マラソン2010サイト
情報提供:葛城太郎様
写真撮影:829(2010年12月5日、撮影場所は写真そばに記載)
奈良交通は平城宮跡と奈良公園・西の京を結ぶ臨時バス([1300]高畑町-近鉄奈良駅-二条大路南四丁目-唐招提寺東口-薬師寺駐車場)を11月28日までの土・日・祝日に運行している。平城遷都1300年祭の平城宮跡会場の開場期間中に運行していたが、同会場の閉場後も引き続き運行することとなった。
情報源:奈良交通グループホームページ
平城遷都1300年祭の主会場である平城宮跡会場のオープンに伴い、会場と各所を結ぶバスが運行されている。平城宮跡会場では4月24日から11月7日まで、復原された第一次大極殿や遣唐使船が公開されるほか、さまざまなイベントが行われる。
シャトルバスの運行
平城宮跡会場のオープン期間中の毎日、近鉄大和西大寺駅(南口)とJR奈良駅(西口)から無料のシャトルバスを運行する。
また、各季フェア期間中は平城宮跡会場の駐車場は障害者等専用となるため、郊外の駐車場と会場を結ぶ無料シャトルバスも運行する。フェア期間と駐車場は下記のとおり。
フェア期間 |
花と緑のフェア:4月24日~5月9日
光と灯りのフェア:8月20日~8月27日
平城京フェア:10月9日~11月7日 |
駐車場 |
奈良西(第二阪奈道路中町ランプ付近)
木津川市(木津川市中央体育館)
大和郡山市(九条公園) |
シャトルバスは奈良交通の車両・乗務員で運行する。
奈良公園-平城宮跡会場-西の京臨時バスの運行
平城宮跡会場のオープン期間中、奈良交通は会場と奈良公園・西の京を結ぶ臨時バスを運行する。
会場最寄の停留所から奈良公園への定期バスは日中毎時2本と少なく、また、西の京への定期バスはない。そのため、臨時バスを平日は毎時2本、土曜・日曜・祝日は毎時3本運行し、観光客の利便を図る。
運行経路は下記のとおり。
[1300]高畑町-(往路)東大寺大仏殿・国立博物館(復路)大仏殿春日大社前-近鉄奈良駅-二条大路南四丁目(平城宮跡会場前)-唐招提寺東口-薬師寺駐車場
情報源:平城遷都1300年祭ホームページ、奈良交通グループホームページ
奈良交通は梅の名所として知られる月ヶ瀬梅林へ臨時バスを運行するほか、一部の定期バスを月ヶ瀬梅林まで延長する。 詳細は下記のとおり。
奈良~月ヶ瀬梅林
学園前・高の原~月ヶ瀬梅林
情報源:奈良交通グループホームページ
奈良交通とエヌシーバスは、12月30日から1月3日まで日祝日ダイヤで運行する。
北和地区の深夜バスは12月30日から1月3日まで、大阪と奈良を結ぶ深夜急行バス「はんな号」は12月29日から1月5日まで運休する(日付は前日基準)。一部路線では、病院など各種施設の休日にあわせて運休や経由地の変更などを行う。
また、大晦日から年始にかけて下記のとおり初詣臨時バスを運行する。
大晦日終夜運転
(運行本数、運行間隔などは省略)
信貴山朝護孫子寺では平城遷都1300年祭オープニングイベントが開催されることや、寅年で参拝客の増加が見込まれることから、信貴山方面への臨時バスを例年より増発する。また、大晦日終夜運転の信貴山上の乗降地を信貴大橋停留所から信貴山停留所に変更する。
室生寺でも平城遷都1300年祭オープニングイベントが開催されることから、室生口大野駅~室生寺前で大晦日終夜運転を行う。
- 春日大社・東大寺・興福寺
市内循環
シャープ前・JR奈良駅~春日大社表参道
- 三輪明神・安倍文殊院
桜井駅北口~三輪恵比須神社
安倍文殊院~三輪恵比須神社
桜井駅北口~安倍文殊院
- 信貴山朝護孫子寺
信貴山下駅~信貴山
- 松尾寺
近鉄郡山駅~松尾寺口~法隆寺駅
泉原町~松尾寺口~松尾寺門前(無料バス)
- 室生寺
室生口大野駅~室生寺前
臨時増発
(特記以外は1日~3日。運行本数、運行間隔などは省略)
信貴山への臨時バスのうち、一部の便を三郷駅に乗り入れる。
- 春日大社・東大寺・興福寺
JR奈良駅~春日大社表参道~高畑町
- 三輪明神・三輪恵比須神社 (1日~3日、15日)
桜井駅北口~三輪恵比須神社
- 安倍文殊院
桜井駅北口~安倍文殊院
- 橿原神宮
三輪恵比須神社~安倍文殊院~橿原神宮駅
(途中、安倍文殊院、治田神社前のみ停車)
- 信貴山朝護孫子寺 (1日~4日)
信貴山下駅~信貴山
三郷駅~信貴山下駅~信貴山
- 天理教本部・石上神宮 (1日~3日、5日~7日)
天理駅→天理教本部前→石上神宮→天理駅(市内循環)
- 法隆寺
法隆寺駅~法隆寺門前
- 松尾寺
泉原町~松尾寺口~松尾寺門前(無料バス)
(泉原町・松尾寺口までは近鉄郡山駅・小泉駅東口から定期バスを運行)
- 壷阪寺
壺阪山駅~壷阪寺
定期路線の変更
有名社寺周辺では交通渋滞が予想されるため、下記の系統で運行区間の変更等を行う(特記以外は1日~3日)。
- [97]法隆寺前~春日大社本殿 → 法隆寺前~春日大社表参道(10時以降・5日まで)
- [88]春日大社本殿→近鉄郡山駅 → 春日大社表参道→近鉄郡山駅(5日まで)
- [70]六条山~春日大社本殿 → 六条山~春日大社表参道(10時~17時・5日まで)
- [62]天理駅~桜井駅北口 運休(10時~17時・4日まで)
- [32]信貴山下駅~三室園東口 → [16]信貴山下駅~信貴山
- [84]八木駅~大泉東口 → 八木駅~やわらぎの郷
- [161]五條バスセンター→八木駅 → [60]五條バスセンター→近鉄高田駅
- [164]忍海~八木駅 (運休)
- [特急]新宮駅→八木駅 → 新宮駅→高田市駅
(八木駅→新宮駅は平常どおり運行)
- [75][85]湯盛温泉杉の湯~八木駅 → 湯盛温泉杉の湯~橿原神宮駅東口(9時~17時)
- [221][222]下市町岩森~八木駅 → 下市町岩森~橿原神宮駅東口(10時~17時)
- [95]大淀バスセンター~八木駅 → 大淀バスセンター~橿原神宮駅東口(10時~17時)
- [8]菖蒲町四丁目~八木駅 → [9]菖蒲町四丁目~橿原神宮駅東口
- [28]八木駅~南白橿 → [26]橿原神宮駅西口~南白橿
- [30]八木駅~近鉄御所駅 → 橿原神宮駅西口~近鉄御所駅(9時~17時)
- [40]イオンモール橿原アルル→八木駅
八木駅行きは橿原バイパス経由で運行し、途中の停留所は経由しない。(10時~18時)
情報源:奈良交通グループホームページ
更新履歴:2009年12月27日掲載、2010年1月6日赤色文字部分を追記