「車両」に関する記事
2022年7月には、奈良交通の「系統番号」と車体側面の「鹿のシンボルマーク」が、それぞれ採用から50年を迎える。
系統番号
奈良交通における系統番号は、1972年7月1日に学園前駅発着の系統で初めて導入された。
学園前地区は「登美ヶ丘一丁目」、「登美ヶ丘東一丁目」、「登美ヶ丘西二丁目」など似通った名前の停留所が多く、乗り間違いもあったという。
解決策として、学園前駅の北口発着の各系統に1から11までの番号を付け、南口発着の各系統には21から25までの番号を付けた。同じ運行区間でも、急行と各停の系統番号は区分した。
系統番号は、車両前後側面の方向幕のほか、学園前駅ののりば案内や時刻表、系統図にも表示した。
のちに学園前地区の運行系統は、宅地開発による路線延長や近鉄けいはんな線開通に伴う路線再編などでしばしば変更されてきた。50年の時を経て運行区間が変わった系統や廃止された系統も多いなか、1、21、23系統など導入当時のまま存続している系統もある。
系統番号が導入された当時のまま存続している系統の一つ、23系統(学園前駅-赤膚山)
鹿のシンボルマーク
奈良交通の車両の左右側面の鹿のシンボルマークは、1972年7月13日から導入された。大きく跳躍する鹿のデザインは、奈良の象徴であり、躍進を続ける奈良交通の象徴ともされる。
後年、乗合バス、貸切バスともに何度か車体の塗装デザインが変更されたが、鹿のシンボルマークは50年間変わらず車体を飾ってきた。
乗合バスの鹿のシンボルマークは、かつて白色の部分に配されていたが、近年は車両低床化の影響で緑色の部分にもまたがっている。
情報源:奈良交通社内報「大和路」昭和47年8月号、奈良交通社史「奈良交通のあゆみ」(1993年)
写真撮影:829(学園前駅、2022年6月撮影)
奈良交通は、「もうひとつの京都」(お茶の京都)ラッピングバスを2台運行している。
「もうひとつの京都」ラッピングバスは京都府が実施する事業で、府内の公共交通の活性化と観光需要の喚起を目的としている。今回は2020年度実施分に続く取り組みとなる。
府内に運行路線がある10の事業者が2台ずつ、「もうひとつの京都」の各エリアをイメージしたラッピングバスを運行する。
- 海の京都:丹後海陸交通、京都交通
- 森の京都:日本交通、西日本JRバス、京阪京都交通
- お茶の京都:京阪バス、京都京阪バス、奈良交通
- 竹の里・乙訓:阪急バス、ヤサカバス
奈良交通の「お茶の京都」ラッピングバスは、2023年3月31日まで下記の車両・路線で運行する。
- 高速車(奈良200か・470(北大和営業所)):学研都市-京都直通バス
- 路線車(奈良200か10-08(平城営業所)):主に祝園登美ヶ丘線
関連記事:
「もうひとつの京都」ラッピングバスを運行(2020年8月25日)
(「もうひとつの京都」ラッピングバスは2020年度にも運行されていた)
情報源:奈良交通ホームページ、京都府ホームページ
奈良交通は2021年11月から順次新車を購入している。確認できている配属状況は下記のとおり。
- 路線車
- いすゞエルガ 2RG-LV290Q3
平城営業所(奈良200か12-67~12-71)
- 大和高田市「きぼう号」向け車両
- 日野ポンチョ 2DG-HX9JLCE
葛城営業所(奈良200か12-65・12-66)
情報源:大和高田市公式ホームページ、大和高田市広報誌「やまとたかだ」2021年12月号(1039号)
情報提供:副団長様
更新履歴:2021年12月7日掲載、2022年1月20日追記
大和高田市と奈良交通は、コミュニティバス「きぼう号」の車両2台を更新し、12月1日から運行を始めた。
今回導入した車両は日野ポンチョ(2DG-HX9JLCE)で、これにより「きぼう号」は全車両がノンステップバスとなった(代替車両で運行する場合を除く)。
また、同日に「吉本病院前」停留所を「野口」に改称したほか、「中井記念病院」停留所を移設した。
2021年12月に大和高田市「きぼう号」に導入された日野ポンチョ
情報源:大和高田市公式ホームページ
写真撮影:829(2021年12月5日撮影・JR高田駅)
奈良交通は、新たな観光ルートの実証運行として、平城宮跡・奈良公園の周辺で無料周遊バスを運行する。
一部の便では、県内で初めて大型電気バスを運行する。
12月上旬は平城宮跡と西ノ京を結ぶルートで、12月下旬は奈良公園と若草山頂を結ぶルートで運行する。車内にはバスガイドが添乗して観光案内を行うほか、若草山での夜景観賞に便利なバスも運行する。
この周遊バスの運行は、観光庁の「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」として、奈良県と連携して実施する。
朱雀門ひろば構内を走行する電気バス(アルファバスジャパン ECITY L10)
平城宮跡~西ノ京ルート
- 運行日:2021年12月4日~12月10日
- 運行ルート:朱雀門ひろば前→唐招提寺駐車場→薬師寺駐車場→朱雀門ひろば前
- 運行時間:朱雀門ひろば前発 9:10から16:10の間は30分毎、16:30
(一般路線バスと電気バスを交互に運行)
奈良公園~若草山頂ルート
- 運行日:2021年12月19日~12月25日
- 運行ルート:大仏殿前駐車場-若草山頂駐車場、若草山頂駐車場→近鉄奈良駅→JR奈良駅
- 運行時間:
大仏殿前駐車場発 若草山頂駐車場行き 9:28から15:28の間は40分毎、16:23、16:53
若草山頂駐車場発 大仏殿前駐車場行き 9:50から15:10の間は40分毎、16:05
若草山頂駐車場発 近鉄・JR奈良駅行き 17:11、17:41
(一般路線バスと電気バスを交互に運行)
電気バスについて
今回の運行では、アルファバスジャパン社の「ECITY L10」を使用する。
写真撮影:829(2021年12月5日撮影・朱雀門ひろば)
更新履歴:2021年11月19日掲載、12月6日更新(電気バスの写真掲載)