「運賃」に関する記事
奈良交通は6月1日より高の原、祝園両駅を発着する路線のうち、下記の系統について乗降方法を変更する。現行は整理券方式であるが、変更後は降車の集中する鉄道駅で運賃収受を行わないため、バスから鉄道への乗り継ぎが円滑に行われる。
- 変更される系統
[23]高の原駅→光台八丁目→高の原駅
[35]光台三丁目→祝園駅
[36]祝園駅→光台八丁目→祝園駅
[38]祝園駅~学研都市精華台
- 乗降方法
(説明の便宜上、鉄道駅以外の停留所を「住宅地」と表記します)
- 鉄道駅で乗車、住宅地で降車
前中(後)扉から乗車。前扉から降車。降車時に鉄道駅からの運賃を支払う。整理券は発行されない。
- 住宅地で乗車、鉄道駅で降車
前扉から乗車。乗車時に鉄道駅までの運賃を支払う。整理券は発行されない。前中(後)扉から降車。
- 住宅地相互で乗降
前扉から乗車。乗車時に、降車する停留所を乗務員に申告のうえ該当する運賃を支払い、「運賃支払済券」を受け取る。 前扉から降車。降車時に「運賃支払済券」を運賃箱に投入する。
情報源:平城営業所車内配布広告ほか
奈良交通は7月20日より100円で乗車できるバスの運行を奈良市内で開始する。平成13年7月19日までの試験運行とする。
路線はJR・近鉄奈良駅と市中心部の路線空白地域を循環するルート(下図参照)で、古い町並みが残る奈良町付近を走ることから愛称を「ならまちバス」とした。
周回路線を20分で1周し、1日に23~26便運行する。運賃の支払いは現金と奈良市が発行する各種乗車証に限られ、回数券、バスカードなどでの支払いはできない。
車両は展望デッキつき小型車(日野P-CH160AA改)1台を充当する。
「ならまちバス」運行開始 (2000年7月24日)
全国で導入が相次ぐ「100円バス」が奈良にも登場した。運行の発表は新聞やテレビで広く報じられ、運行開始に先立ってお披露目式と試乗会が行われた。ただ、運行開始の7月20は祝日とあって多くの利用が見込まれたが、宣伝が行き届いていないこともあり利用は低調であった。
100円バスは、1995年に武蔵野市のコミュニティーバス「ムーバス」が100円の運賃を導入したことに端を発する。従来の運賃と比べて安い点と硬貨1枚で利用できる手軽さが注目され、各地で導入が相次いでいる。また、導入の結果、利用客の増加が認められた事業者もあり、需要喚起の手法としても注目されている。
奈良交通は100円バス導入にあたって、奈良市内中心部の路線空白地域を選定した。周回路線の南半分は、従来バス路線のなかった地区や、路線はあっても運行本数が少なかった地区である。古い町並みが残る奈良町付近を走ることから愛称を「ならまちバス」とした。 奈良町を訪れる観光客と近隣に住む高齢者の利用を想定しているが、運行の効果が未知数であるため1年間の試験運行とし、状況を見て以後の運行予定を決定する。
1日の運行は日中20分毎の運行とし、1台のバスが20分で周回路線を1周する。運賃は大人100円、小人50円である。従来とは異なる運賃体系を採用しているため、支払いは現金か奈良市発行の各種乗車証に限られる。
車両は展望デッキつきイラストバスを充当している。同車は1988年の「なら・シルクロード博覧会」の会場間輸送用に導入された車両で、博覧会終了後は県内各地の観光路線で活躍していた。展望を重視した車両の特性上、床面地上高が非常に高く、中扉からの乗車には3段のステップを介する。高齢者の利用を想定した場合、車種の選定には再考の余地があると思われる。
1年間の試験運行ではあるものの、新しいバスサービスが始まった意義は大きい。地元住民や観光客の足として定着するよう見守っていきたい。 |
更新履歴:2000年7月16日掲載、7月24日解説を追加