「八木新宮線」に関する記事
奈良交通は創立80年を記念して、奈良と新宮を結ぶバスを運行する。
現在、大和八木駅と新宮駅を結ぶ八木新宮線は、当初は奈良大仏前(現在の東大寺大仏殿・国立博物館)を発着していた。
今年は会社の創立80周年に加え、特急バス運行開始60周年の節目であることから、夏季に2回、計4日間、「大仏新宮線」として奈良と新宮を結ぶバスの復刻運行を実施する。
乗車は完全予約制で、6月23日9:00から奈良交通の創立80周年記念特設ホームページで予約を受け付ける。1便あたりの定員は36名。
「大仏新宮線」運行の概要は下記のとおり。
- 奈良→新宮
- 運行日:2023年7月8日(土)、8月26日(土)
- 運行時刻:東大寺大仏殿・国立博物館発8:30→新宮駅着16:36
(途中、近鉄奈良駅、JR奈良駅、大和八木駅で乗車可)
- 新宮→奈良
- 運行日:2023年7月9日(日)、8月27日(日)
- 運行時刻:新宮駅発9:00→東大寺大仏殿・国立博物館着17:06
(途中、大和八木駅、JR奈良駅、近鉄奈良駅で降車可)
- 両方向とも途中、大和八木駅、五條バスセンター、上野地、十津川温泉で休憩する。
- 運賃:大人片道8,000円、小児片道4,000円(完全予約制)
- 運行キロ:187.2km
- 車両:日野QDG-KV234L3(大台ヶ原線、八木新宮線で使用している前扉1扉車)
実際の運行では、車両の行先表示を当時の書体に似せたほか、当時の愛称を記したヘッドマークを掲出した。
情報源:奈良交通ホームページ(創立80周年記念特設ホームページ)、奈良交通「会社創立80周年+運行開始60周年 復刻!「大仏新宮線」の特別運行について」(2023年6月21日・PDFファイル)、日本経済新聞電子版「「日本一長い路線バス」当初の路線を復刻 奈良交通」(2023年6月21日)
写真撮影:829(2023年8月26日撮影、東大寺大仏殿・国立博物館)
更新履歴:2023年6月22日掲載、8月26日写真掲載
台風2号の接近により梅雨前線が活発化した影響で、6月2日は県内各地で大雨を観測した。
道路の雨量規制や土砂崩れ、落石があったため、奈良交通のバス路線は各地で運休するなどの影響があった。
特に、八木新宮線は和歌山県内(田辺市本宮町大居口付近)での通行止めが長期化し、およそ3週間にわたって一部の区間を運休した。運行について確認できた情報は下記のとおり。
6月12日まで
(大居口以外の箇所の規制解除後)
- 大塔支所-本宮大社前の区間を運休
通常の系統は、大和八木駅-大塔支所、本宮大社前-新宮駅で折り返し運行
土日祝日の「やまかぜ」は、大和八木駅-星のくに、本宮大社前-新宮駅で折り返し運行
運行の都合上、奈良県内の規制解除後も大塔支所までの折り返し運行を継続していた。五條市と十津川村のバスによる往来は、平日に運行する広域通院ラインのみとなっていた。
6月13日~16日
- 大塔支所-本宮大社前の区間を運休
大和八木駅-大塔支所、本宮大社前-新宮駅で折り返し運行
ただし、新宮駅発5:53(十津川温泉発8:01)、大和八木駅発13:38の便は、大和八木駅-十津川温泉、本宮大社前-新宮駅で折り返し運行
6月17日~21日
十津川温泉-本宮大社前の区間を運休。運行の都合上、車両の乗り換えまたは十津川村営バスへの乗り換えが生じる便がある。
- 大和八木駅発9:15の便
大和八木駅→大塔支所まで運行。大塔支所→十津川温泉は村営の送迎バスを運行。
本宮大社前→新宮駅も運行。
- 大和八木駅発11:38の便(土日祝日は「やまかぜ」)
大和八木駅→十津川温泉まで運行。ただし平日は大塔支所で、土日祝日は星のくにで乗り換え。
本宮大社前→新宮駅も運行。
- 大和八木駅発13:38の便
大和八木駅→十津川温泉、本宮大社前→新宮駅で折り返し運行
- 新宮駅発5:53の便
新宮駅→本宮大社前、十津川温泉→大和八木駅で折り返し運行
- 新宮駅発7:46の便
新宮駅→本宮大社前まで運行。
十津川温泉→大塔支所は村営の送迎バスを運行。大塔支所→大和八木駅まで運行。
- 新宮駅発9:59の便(土日祝日は「やまかぜ」新宮駅発10:18)
新宮駅→本宮大社前まで運行。
十津川温泉→大和八木駅まで運行。ただし平日は大塔支所で、土日祝日は星のくにで乗り換え。
6月22日~7月4日
大型車両が通行できる迂回路が整備され、6月21日11時から通行できるようになった。これに伴い6月22日から全線で運行を再開する。
熊野萩-下向橋を迂回運行するため、三里橋、竹の本、道の駅奥熊野、平岩口、大居口には停車しない。また、迂回のため遅延が見込まれる。
7月4日17時から片側交互通行により通行可能となるため、7月5日から通常の経路で運行する(大日越登り口-湯の峰温泉の迂回運行は継続)。
情報源:奈良交通ホームページ、十津川村ホームページ、奈良県ホームページ(報道資料)、熊野本宮観光協会サイト
情報提供:たかばたけ様
更新履歴:2023年6月19日、6月21日追記(6月22日からの迂回運行・全線運行再開について)、7月4日追記(迂回運行の終了について)
4月9日未明、十津川村長殿の国道168号線で土砂崩れが発生し、付近は2週間以上にわたって通行止めとなった。奈良交通は、4月9日から27日まで、八木新宮線と広域通院ラインで折り返し運行を実施した。
4月9日
- 八木新宮線 大塔温泉夢乃湯-上野地の区間を運休
通常の系統は、大和八木駅-大塔温泉夢乃湯、上野地-新宮駅で折り返し運行
「やまかぜ」は、大和八木駅-星のくに、上野地-新宮駅で折り返し運行
4月10日~25日
- 八木新宮線 星のくに-上野地の区間を運休
大和八木駅-星のくに、上野地-新宮駅で折り返し運行
- 広域通院ライン 大塔支所-旭橋の区間を運休
福神駅-大塔支所、旭橋-十津川温泉で折り返し運行
4月26日・27日
- 八木新宮線 星のくに-上野地の区間を運休
大和八木駅-星のくに、上野地-新宮駅で折り返し運行
ただし、大和八木駅発13:38の便は大塔支所まで運行
- 広域通院ライン 大塔支所-旭橋の区間を運休
福神駅-大塔支所、旭橋-十津川温泉で折り返し運行
現場付近は、14日夜から緊急車両の通行ができるようになり、19日朝からは普通車以下の一般車両が仮設の迂回路を通行できるようになった(7時~18時・交互通行)。しかしバスやトラックは通行できず、八木新宮線と広域通院ラインは、引き続き折り返し運転が続いていた。
その後現場付近の応急対策が進み、27日朝からバスやトラックを含む一般車両の片側交互通行ができることになった。八木新宮線と広域通院ラインは、4月27日で折り返し運行を終了し、28日から通常どおり運行する。
情報源:奈良交通ホームページ、十津川村ホームページ、奈良県ホームページ(報道資料)
更新履歴:2023年4月10日掲載、4月22日追記、4月28日復旧について追記、タイトル変更
奈良交通が大和八木駅(奈良県橿原市)と新宮駅(和歌山県新宮市)の間を運行する「八木新宮線」は、3月1日に開通60周年を迎えた。
八木新宮線60年のあゆみ
2013年3月の「八木新宮線開通50周年」に掲載した「八木新宮線のあゆみ」に、10年分の主なできごとを追記した。
- 1963年3月1日
新宮線、奈良大仏前-新宮駅(196.2km)運行開始。
- 1968年2月1日
湯の峰温泉に乗り入れ。奈良湯の峰線、奈良大仏前-湯の峰温泉(160.3km)運行開始。
- 1973年7月16日
奈良新宮線、奈良湯の峰線に冷房車導入。
- 1977年4月1日
川湯温泉に乗り入れ。奈良新宮線、奈良大仏前-川湯温泉(157.5km)運行開始。
- 1979年2月1日
川湯温泉ふじや前に乗り入れ。奈良新宮線、奈良大仏前-ふじや前(157.8km)運行開始。
- 1983年7月20日
八木発着に変更。八木新宮線、八木駅-新宮駅(162.5km)・八木駅-ふじや前(132.1km)運行開始。
- 1991年1月21日
新宮発着便を湯の峰温泉・川湯温泉に乗り入れ。八木駅-湯の峰温泉-川湯温泉-新宮駅(168.6km)運行開始。
- 1992年7月16日
ワンマン化実施。新製車両(日野U-HU3KLAA)を導入。
- 2000年4月16日
八木駅-新宮駅、八木駅-湯の峰温泉各2往復から、八木駅→新宮駅2便、新宮駅→八木駅、新宮駅→折立、折立→湯の峰温泉、湯の峰温泉→八木駅各1便に変更(減回)。
- 2001年3月22日
八木駅-新宮駅3往復に変更(増回)。
- 2002年10月1日
八木駅-五條バスセンター間各停留所に停車。
- 2010年4月1日
十津川村のホテル昴に乗り入れ(新宮駅発八木駅行の1便を除く)。
- 2011年9月2日
台風12号の接近により一部区間で運休。台風12号は沿線各地に甚大な被害をもたらし(紀伊半島大水害)、10月31日まで一部区間の運休が続いた。その後、迂回運行は2017年1月29日まで続いた。
- 2015年11月2日
バリアフリー対応の新製車両(日野QDG-KV290N1)を導入。
- 2016年10月
バリアフリー対応の新製車両(いすゞQDG-LV290N1)を導入。
- 2017年2月27日
旧型車両(日野U-HU3KLAA)による運行を終了。
- 2017年4月1日
五條病院玄関口に乗り入れ。
- 2017年10月1日
系統番号[特急301][特急302]を付番。
- 2019年12月20日
大和八木駅-新宮駅の間を同一の便で完全乗車した乗客を対象に、記念品の配布を開始。
- 2021年4月1日
平日の新宮駅発大和八木駅行きのうち2便を、西吉野農業高校経由で運行。
- 2022年10月1日
所要時間を短縮した「観光特急やまかぜ」を新設。土日祝日の1往復を置き換え。
台風14号は9月19日の夜に近畿地方に最接近した。奈良県南部では台風が近づく前から大雨を観測し、奈良交通の一部路線の運行に影響があった。
台風の影響による運行状況は下記のとおり。なお、一般路線バスの運休区間の変更の正確な時刻は明らかでない。
9月18日
下記の路線・区間で運休した。
- R169ゆうゆうバス:大迫ダム-下桑原
- 大台ヶ原線:不動窟-大台ヶ原
- 八木新宮線:【夕方から】十津川村役場-七色
9月19日
下記の路線・区間で運休した。真美ヶ丘線は、馬見丘陵公園の休園のため一部区間を運休した。
- 夜行高速バスやまと号(五條新宿線、TDR横浜線):全便
- やまと号連絡バス(JR奈良駅→天理駅)
- 大阪空港リムジンバス:JR奈良駅発15:50、16:50、大阪空港発17:40以降
- 真美ヶ丘線:【終日】馬見北三丁目-馬見丘陵公園
([33]五位堂駅-馬見丘陵公園系統は、[35]五位堂駅-馬見北三丁目系統で運行) - R169ゆうゆうバス:【午前】大迫ダム-下桑原、【午後から】湯盛温泉杉の湯-下桑原
- 大台ヶ原線:全区間
- 八木新宮線:【早朝】十津川村役場-七色、【午前】宇井-七色、【昼過ぎから】天辻-七色
9月20日
大台ヶ原線は全区間運休した。
情報源:奈良交通ホームページ、奈良県ホームページ(防災・危機管理)