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奈良交通の私設ファンクラブ「nako-club」がつくるページです

「広域通院ライン」に関する記事

台風12号被害による運行状況

9月3日に中四国地方を縦断した台風12号は、進路の東側にあたる紀伊半島に記録的な大雨をもたらした。奈良県では五條市大塔町、天川村、十津川村において土砂崩れや家屋の流失により、多数の犠牲者と行方不明者が出る惨事となった。また、南部を中心に土砂崩れや落橋による道路の寸断などの被害が相次いだ。

奈良交通は9月1日以降、道路の通行規制のため、一部の路線で区間の短縮や運休などを行っている。9月30日現在も八木新宮線、十津川線、下市天川線で区間を短縮して運行しているほか、八木大滝線、大台ケ原線、熊野線では迂回運行を行っている。

国道168号線は9月12日現在、県内では五條市大塔町小代から十津川村七色(県境)まで通行止めとなっているほか、和歌山県新宮市内で通行止めとなっている区間がある。9月30日現在も状況に大きな変化はない。

十津川村折立では落橋が発生するなど被害の規模は大きく、国道168号線を経由するバス路線復旧の見通しは立っていない。

その他、十津川村営バスの全線、五條市大塔地区コミュニティバスの一部路線等、各市町村のコミュニティバスでも運休や減便、迂回運行が続いている。

台風の影響による運行状況(奈良交通路線バスのみ)

路線名 日付 (注1) 状況
八木新宮線
十津川線
9月2日~3日 運休 城戸-十津川温泉-新宮駅
9月3日~4日 運休 五條BC-十津川温泉-新宮駅
9月5日 運休 県立五條病院-十津川温泉-新宮駅
9月6日~10日 運休 城戸-十津川温泉-新宮駅
9月11日~16日 運休 小代下-十津川温泉-新宮駅
9月17日 運休 城戸-十津川温泉-新宮駅
9月18日~19日 運休 小代下-十津川温泉-新宮駅
9月20日~21日 運休 城戸-十津川温泉-新宮駅
9月22日~29日 運休 小代下-十津川温泉-新宮駅
9月30日~ 運休 小代下-十津川温泉-新宮駅
(十津川線広域通院ラインは全区間運休
下市天川線 9月2日 運休 天河大弁財天社-中庵住
9月3日~5日 運休 庄屋辻-中庵住
9月6日~15日 運休 天川川合-中庵住
9月16日~ 運休 天河大弁財天社-中庵住
大台ケ原線 9月1日~9日 運休 全区間(上市駅-大台ケ原)
9月10日~16日 迂回経路で運行 注2
9月17日 運休 全区間(上市駅-大台ケ原)
9月18日~19日 迂回経路で運行 注2
9月20日~22日 運休 全区間(上市駅-大台ケ原)
9月23日~ 迂回経路で運行 注2
八木大滝線 9月4日 運休 宮滝-湯盛温泉杉の湯 注3
9月5日~7日 運休 宮滝-湯盛温泉杉の湯
9月8日~11日 迂回経路で運行
(国樔経由の便は樫尾経由で運行)
注2
9月12日~20日 迂回経路で運行
9月21日 運休 寺尾-湯盛温泉杉の湯
9月22日~ 迂回経路で運行 注2
熊野線 9月1日~4日 運休 大迫ダム-下桑原
9月5日~9日 運休 全区間(湯盛温泉杉の湯-下桑原)
9月17日 運休 大迫ダム-下桑原
榛原東吉野線 9月2日~4日 運休 菟田野-大又・杉谷・新子
9月5日~12日 運休 千代橋-大又
(12日中に運行再開
9月17日 運休 千代橋-大又
奥宇陀線 9月2日~5日 運休 上内牧-曽爾村役場前
洞川線 9月2日 運休 天川川合-洞川温泉
9月3日~5日 運休 庄屋辻-洞川温泉
五條西吉野線
五條城戸線
9月3日~4日 運休 全区間 (五條BC-城戸・西吉野温泉)
9月5日 運休 県立五條病院-城戸・西吉野温泉
野原循環線 9月3日~5日 運休 全区間
東吉野村内線 9月2日~4日 運休 全区間 注4
室生線 9月3日~4日 運休 全区間(室生口大野駅-室生寺前)
桜井菟田野線 9月3日~4日 運休 全区間(桜井駅南口-菟田野)
多武峯線 9月3日~4日 運休 倉橋池口-談山神社
笠置線 9月2日~3日 運休 長尾町-広岡
奈良月ヶ瀬線 9月2日~3日 運休 邑地中村-石打
東山線
山添水間線
9月2日 運休 下水間-北野-中峯山
9月3日 運休 下水間-北野 注5
奈良都祁線 9月3日 運休 下水間-奈良市都祁交流センター
(夕方までに運行再開

注)

  1. 実際の運休・運行再開の時刻と報道発表には時間差があるため、時刻は省略。
  2. 北塩谷口-湯盛温泉杉の湯間で迂回運行。川上村役場には停車しない。大台ケ原線は、台風6号の影響により和佐又山登山口~伯母峯間でも迂回運行。
  3. 報道発表資料では運休区間が「五條BC-城戸-新宮駅」と記載されていたが、翌日の発表資料から「宮滝-湯盛温泉杉の湯」と推測。
  4. 報道発表資料では運休区間の記載なし。新子-杉谷の系統を指すものと推測。
  5. 北野-中峯山は土・日祝日の運行がないため。

今回の災害により被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げますとともに、犠牲となられた方々の冥福を心よりお祈り申し上げます。

また、奈良交通の運転者の方が行方不明になっているとの情報もあります。この運転者の方をはじめ、行方不明の方々の一刻も早い救出を心よりお祈り申し上げます。

新車情報・車両の動き

奈良交通はこのほど新車を購入した。確認できている購入・配属状況は下記のとおり。

  • 観光車
    • 日野LKG-RU1ESBA(セレガ)
      奈良貸切営業所(奈良200か・678、・690、・691)
    • いすゞLKG-RU1ESBJ(ガーラ)
      奈良貸切営業所(奈良200か・679)、(未確認 2台)
  • 路線車
    • 日野LKG-RU1ESBA(セレガ・夜行高速)
      奈良営業所(奈良200か・709)
    • 日野LKG-KV234N3(ブルーリボンII ノンステップ)
      奈良営業所(奈良200か・682)、平城営業所(奈良200か・683)
    • 日野PDG-KR234J2(レインボーII ノンステップ)
      奈良営業所(奈良200か・700~・704)、北大和営業所(奈良200か・705~・707)
      平城営業所(奈良200か・708)
    • 日野BDG-HX6JLAE(ポンチョ・広域通院ライン専用車)
      十津川営業所(奈良200か・711)
    • いすゞPDG-LR234J2(エルガミオ ノンステップ)
      葛城営業所(奈良200か・684~・687)、西大和営業所(奈良200か・698、・699)、
      京都営業所(京都200か23-96、23-97)
    • いすゞLKG-LV234N3(エルガ ノンステップ)
      葛城営業所(奈良200か・688、・689)

2010年は新車が大量に導入された一方、廃車は数台にとどまった。平城遷都1300年祭のシャトルバス運行のために増車していたものであるが、1300年祭の終了により、2010年末に車両の再配置が行われた。

平成22(2010)年式の車両では、奈良営業所から北大和営業所にワンステップバス8台が転属した一方、北大和営業所から奈良営業所と平城営業所にノンステップバスが1台ずつ転属した。西大和営業所からはワンステップバス1台が平城営業所に、ノンステップバス1台が奈良営業所に移っている。

新車の導入により去就が注目されている昭和61・62(1986・87)年式の車両の動きであるが、北大和営業所の15台が定期運用を離れ、奈良営業所に9台、西大和営業所に6台が留置されていた(後に、3台が西大和営業所から葛城営業所に移動)。徐々に廃車が進んでいるものの、1月から5月の大 型連休にかけて、臨時バス等での稼動が確認されている。

また、その他の営業所の経年車は2011年に入ってからも引き続き定期運用に就いていたが、3月までに大半が廃車された。ただし、奈良営業所の一部の車両は5月の大型連休中に稼動が確認されている。

[参考] 車両データベース

広域通院ライン実証運行開始

奈良交通は2月28日から十津川温泉と五條バスセンターの間で「広域通院ライン」の実証運行を始める。

県南部の野迫川村・十津川村方面から五條市の県立五條病院への通院に路線バスを利用する場合、現行のダイヤでは始発便でも五條到着は午前10時頃になる。通院の便を図るため、始発便の1時間前(十津川温泉発6:03)に県立五條病院の玄関口まで乗り入れる路線を新たに設定する。

運行主体は沿線自治体等の関係者で構成される「五條市地域公共交通会議」及び「野迫川村・十津川村地域公共交通活性化協議会」であり、奈良交通は両者からの委託により運行する。

2011年2月28日から2013年3月29日までの約2年間の実証運行であり、土・日・祝日・お盆・年末年始を除く平日に1往復運行する。通院用途の運行であるが、利用に制限はなく、誰でも乗車できる。

新設 十津川温泉-県立五條病院玄関口-五條バスセンター

新設停留所 「県立五條病院玄関口」