奈良交通は4月1日に一部の路線でダイヤを変更する。
- 高樋線を廃止、奈良市のコミュニティバスに転換
- 市内循環内回りを増便、8分毎に運行
- 住宅地への路線を新設
- 各地で停留所名を改称
- JR奈良駅ののりばを変更(JR奈良駅のりば変更を参照)
詳細は下記のとおり。運行時刻の変更と路線・系統の改廃は営業所別に記載。
エヌシーバス郡山営業所
- 奈良市街と奈良市精華地区を結ぶ高樋線を廃止し、奈良市が運行するコミュニティバスに転換する。コミュニティバスは、4月1日から米谷町-下山-南福祉センターの区間で運行する予定である。
廃止する系統 |
[34]JR奈良駅西口-奈良東病院-米谷町
[54]米谷町→山村町→JR奈良駅西口 |
廃止する停留所 |
納戸原、上山、精華学院、柳茶屋、高樋中町、高樋町、精華小学校、椿尾町、興隆寺町、中畑町、米谷町 |
- 八条町線(近鉄奈良駅-杏中町ほか)の運行時刻を変更する。JR奈良駅ののりば変更により所要時間が変わるため。
- ◆四条大路線で日曜・祝日に運行する[9]JR奈良駅→四条大路南町系統の運行時刻を1~2分繰り下げる。のりば変更により所要時間が変わるため、また、JR奈良駅の同じのりばから発車する他の系統と調整するため。
奈良営業所
- 市内循環線の[1]市内循環内回りを増便し、日中の運転間隔を現行の10分から8分に短縮する。
[2]市内循環外回りの平日5時台の2本と、[6]中循環内回りの平日7時台の1本で運行時刻を変更する。
- 市内循環線の[5]中循環内回りを廃止する。
- 奈良天理線のJR奈良駅の発着を、西口から東口に変更する。のりば変更により所要時間が変わるため、また、JR奈良駅の同じのりばに山村線など他の路線も発着するようになるため、運行時刻を変更する。
JR奈良駅の発着を
西口から東口に変更する系統 |
[44]JR奈良駅→添上高校→天理駅
[50]JR奈良駅-天理駅
[51]JR奈良駅-下山
[53]JR奈良駅-窪之庄
[73]JR奈良駅-シャープ総合開発センター
[82]JR奈良駅-憩の家病院-天理駅
[92]JR奈良駅-憩の家外来棟-天理駅
[182]天理駅→憩の家病院→奈良東病院→JR奈良駅
[192]JR奈良駅-奈良東病院-憩の家外来棟-天理駅
[250]JR奈良駅→奈良東病院→天理駅 |
- 山村線(JR奈良駅-藤原台・山村町)と佐保スクール線(JR奈良駅-佐保短期大学・鹿野園町)は、JR奈良駅ののりば変更で所要時間が変わるため、また、JR奈良駅の同じのりばに奈良天理線も発着するようになるため、運行時刻を変更する。
- 奈良白土線(近鉄奈良駅-シャープ前・白土町ほか)と奈良イオンモール線(近鉄奈良駅-杏南町・イオンモール大和郡山)の運行時刻を変更する。JR奈良駅ののりば変更で所要時間が変わるため。
- ◆早朝に片道1本だけ運行していた、奈良白土線の下記系統を廃止する。かわりに、シャープ前5時02分発[79]近鉄奈良駅行きを運行する。
- ★柳生スクール線の登校時の運行時刻を変更する。両系統は1年ごとに登校時の運行順序を入れ替えている。また、下校時の運行本数を変更する。
時刻を変更する系統 |
[文]水越神社→柳生小学校 (水越神社発 7:25 → 8:05)
[文]北野山→柳生小学校 (北野山発 8:01 → 7:25)
[文]柳生小学校→水越神社(火曜日の運行を取りやめる)
[文]柳生小学校→北野山 (1便増発。運行時刻は期間に応じて4通り設定される。) |
- そのほか、下記の系統で運行時刻を変更する。
- 県立奈良病院線[43]近鉄奈良駅-県総合医療センター(平日)
- 六条山線[72]高畑町-六条山(平日17時台の六条山行き1便)
- 六条山線[64]西の京駅(※)-六条山(平日18時台の六条山行き1便)
(※4月1日から「西ノ京駅」に改称。下記「その他」の項目参照)
- 阪奈道路線[160]高畑町-学園前駅(平日8時台と土曜・日曜・祝日17時台の学園前駅行き各1便)
- ★笠置線[文]興東中学校(※)-広岡(下校時の広岡行きの1便。運行時刻は期間に応じて4通り設定される。)
(※4月1日から「興東館柳生中学校」に改称。下記「その他」の項目参照)
- ★二条尼ヶ辻線[文]平城宮跡-都跡小学校(登校時の都跡小学校行き1便)
平城営業所
- ◆木津城山台線を新設する。両系統あわせて1時間に1~2本運行する。
新設する系統 |
[13]木津駅東口→京大農場→木津城山台九丁目→木津駅東口
(木津城山台循環・外回り)
[14]木津駅東口→木津城山台九丁目→京大農場→木津駅東口
(木津城山台循環・内回り) |
新設する停留所 |
京大農場、木津城山台六丁目、木津城山台五丁目、木津城山台十一丁目、木津城山台十二丁目 |
- 高の原梅美台線[31]高の原駅-梅美台三丁目系統を日中に増発し、同区間では[33]高の原駅-木津駅東口系統とあわせて、日中も1時間あたり2本運行する。
また、[33]高の原駅-木津駅東口系統の運行時刻を変更する。
北大和営業所
- 富雄団地循環線を延長し、日中は1時間に1本、三松ヶ丘に乗り入れる。三松ヶ丘では、2014年9月にコミュニティバスの実証運行試験が行われていた。(富雄地区でコミュニティバス実証実験運行を参照。)
新設する系統 |
[58]富雄駅→富雄団地北町→三松ヶ丘→富雄駅
(富雄団地・三松ヶ丘循環) |
新設する停留所 |
三松ヶ丘緑地、三松ヶ丘、三松ヶ丘公園 |
- 富雄庄田線(富雄駅-傍示ほか)を延長し、生駒北スポーツセンターに乗り入れる。土曜・日曜・祝日の富雄駅-傍示系統は、すべて富雄駅-生駒北スポーツセンター系統に変更する。
また、土曜・日曜・祝日の庄田17時43分発[152]富雄駅行きは、生駒北スポーツセンター17時29分発[156]富雄駅行きに変更する。
そのほか、土曜・日曜・祝日の富雄駅の発車時刻を一部変更する。
新設する系統 |
[156]富雄駅-学研北生駒駅-傍示-生駒北スポーツセンター
[157]富雄駅→育英西校→学研北生駒駅→傍示→生駒北スポーツセンター |
新設する停留所 |
生駒北スポーツセンター |
- 上町生駒線[188]学研北生駒駅→生駒台→生駒駅系統は、新生駒台北口停留所を通過する。
- ◆学園前若草台線の学園前駅9時30分発[27]若草台行きと、若草台10時00分発[27]学園前駅行きを増発する。
西大和営業所
- 三郷線の運行経路と運行時刻を変更する。城山台三丁目、信貴山下駅への乗り入れを取りやめ、勢野北地区、王寺駅に乗り入れる。
城山台一丁目-城山台三丁目の区間は三郷線に代わって信貴山線が乗り入れるが、朝夕の運行はなくなり、日中に5往復のみの運行になる。
[20]信貴山下→城山台五丁目→三郷駅系統を廃止し、[18]信貴山下→万葉荘園前系統を増発する。
信貴山線は日中の便を中心に運行時刻を変更する。
新設する系統 |
[29]王寺駅北口-勢野北一丁目-城山台五丁目-三郷駅
[43]王寺駅北口-信貴山下駅-城山台三丁目-信貴山門 |
廃止する系統 |
[15]信貴山下駅-城山台三丁目-三郷駅
[20]信貴山下→城山台五丁目→三郷駅
[33]三郷駅→城山台三丁目→信貴山下駅→城山台五丁目→三郷駅
[35]三郷駅→城山台五丁目→信貴山下駅→城山台三丁目→三郷駅 |
新設する停留所 |
三郷中央公園、勢野北一丁目、勢野北二丁目、勢野北三丁目、勢野北五丁目 |
- 信貴山下駅の王寺駅北口行きののりばを、1番のりばから2番のりばに変更する。2番のりばに発着していた三郷線の運行がなくなったため。
- 奈良学園大学線[14]三郷駅-奈良学園大学系統の平日の夕方の運行時刻を一部変更する。
葛城営業所
- 飛鳥線の運行経路と運行時刻を変更する。明日香村岡地区の電線地中化工事が完了したため。
2012年12月から、日中は万葉文化館、治田神社経由で運行していたが、本来の経路に戻し、万葉文化館西口、岡戎前経由で運行する。(飛鳥線の一部系統で運行経路変更を参照)
運行経路を変更する系統 |
[15]橿原神宮駅東口→明日香小山→飛鳥資料館→飛鳥大仏前→石舞台→岡寺前→檜前
[16]橿原神宮駅東口-飛鳥資料館-飛鳥大仏前-石舞台・岡寺前-飛鳥駅 (往復とも石舞台→岡寺前の順で運行)
[17]橿原神宮駅東口→飛鳥資料館→飛鳥大仏前→石舞台→岡寺前
[22]健康福祉センター→石舞台→岡寺前→飛鳥大仏前→飛鳥資料館→明日香小山→橿原神宮駅東口
[23]橿原神宮駅東口-明日香小山-飛鳥資料館-飛鳥大仏前-石舞台・岡寺前-飛鳥駅 (往復とも石舞台→岡寺前の順で運行)
[文]健康福祉センター→岡寺前→飛鳥大仏前→橿原神宮駅東口 |
- 大台ヶ原線で土曜・日曜・祝日に運行している[特急]大淀バスセンター→大台ヶ原系統を、[特急]上市駅→大台ヶ原系統に変更する。[特急]大台ヶ原→大淀バスセンター系統は現行どおり運行する。
今年の大台ヶ原線の運行は、4月25日から11月23日まで。
- 南大和ネオポリス線[56]五條駅北口-田園五丁目系統の平日夜間の運行時刻を変更する。
京都営業所
- 同志社線(新田辺駅・三山木駅-同志社大学デイヴィス記念館ほか)を同志社大学多々羅キャンパスまで延長する。あわせて各系統の運行時刻を変更する。
新設する系統 |
[110]三山木駅-同志社大学デイヴィス記念館-同志社大学多々羅キャンパス
[111]同志社大学多々羅キャンパス→同志社大学デイヴィス記念館→興戸→新田辺駅
同志社大学正門→同志社大学デイヴィス記念館→同志社大学多々羅キャンパス |
新設する停留所 |
同志社大学多々羅キャンパス |
その他
- JR奈良駅(東口)ののりばを変更し、西口ののりば番号を東口の番号と重複しないように改める。 (詳細はJR奈良駅のりば変更を参照。)
- 下記のとおり停留所名を変更する。
停留所名の変更 |
県新公会堂 → 奈良春日野国際フォーラム甍前
大仏殿春日大社前 → 東大寺大仏殿・春日大社前
西の京駅 → 西ノ京駅
興東中学校 → 興東館柳生中学校
ドリームランド → 法連佐保山三丁目
黒髪奈保町 → 奈保町
三郷今井 → 立野南二丁目
湯ノ口 → 奈良学園大学東口
イーストヒルズ勢野西 → 奈良学園大学信貴山グラウンド
はなさとほいくえん → はなさとこども園 |
情報源:奈良交通グループホームページ、三郷町広報「広報さんごうNo.599」(2015年3月1日)、明日香村オフィシャルホームページ、同志社大学サイト
情報提供:健一様、奈良橿原線様、きんなら様、CLEMENT様、エクシブ様
更新履歴:2015年3月20日掲載、3月31日追記、4月4日修正・追記(◆印の項目の太字部分を修正、★印の項目を追記)、4月12日修正(飛鳥線の略図)
2010年12月5日、「奈良マラソン2010」が開催された。奈良県で公認フルマラソンが行われるのは初めてであり、広範囲・長時間に及ぶ交通規制の影響が懸念されたことから、奈良交通は広範囲にわたる路線を8時から15時まで運休するなど、前例のない措置をとった。
早朝の選手輸送から午前の交通規制解除まで、奈良マラソン当日のバス運行の状況を追った。
[関連記事] 「奈良マラソン2010」開催日の運行 (2010年12月4日)
選手輸送
奈良マラソンは各種目あわせて1万7千人(定員)が参加する。スタート地点の鴻ノ池陸上競技場に向けて早朝から臨時バスが運行された。車両は奈良・平城営業所の長尺車が充てられた。
午前7時を過ぎると、電車の到着にあわせてバスのりばに数多くの参加者が押し寄せ、バスのりばには長蛇の列ができた。
混雑のピークは7時30分頃。中にはバスに乗るのをあきらめて徒歩で競技場を目指す参加者もいた。しかしピストン輸送の結果、混雑は程なく収まり、8時頃には臨時バスの運行は終了した。
日の出前から臨時バスの運行が始まっていた。 (近鉄奈良駅13番のりば 6時40分頃)
午前7時を過ぎるとバスのりばに列ができはじめた。 (近鉄奈良駅13番のりば 7時頃)
JR奈良駅7番のりばの様子。長蛇の列ができている。 (JR奈良駅7番のりば 7時20分頃)
反対側から見た様子。列は7番のりばから北(写真奥)に延び、南(写真手前)へ折れて、再度北に延びている。 (JR奈良駅7番のりば 7時30分頃)
交通規制開始
8時頃から市内循環はJR奈良駅止めとなり、青山住宅線や奈良天理線なども順次運行が打ち切られた。8時19分に[70]春日大社本殿行きがJR奈良駅を出発し、近鉄奈良駅・奈良公園方面への運行は一旦打ち切られた。
これ以降、シャープ前・三条大路方面の路線はJR奈良駅で折り返しとなった。バスの行先表示は通常どおりであったが、「JR奈良駅止メ」と書かれた紙が貼られたバスもあった。
三条大路方面の路線は、通常はJR奈良駅10番のりばから発車するが、折り返しの都合上、規制時間中は12番のりばから発車した。
近鉄・JR奈良駅のバスのりばには正月輸送を上回る規模で係員が配置され、乗客の誘導・案内に当たった。
8時19分発の春日大社本殿行きをもって、近鉄奈良駅方面への運行が打ち切られた。 (JR奈良駅1番のりば 8時20分頃)
JR奈良駅で折り返す奈良法隆寺線のバス。通常ののりばである10番のりばはここより手前にあるため、規制時間中はのりばを変更した。 (JR奈良駅付近 8時45分頃)
競技の模様
9時スタートのフルマラソンの選手と9時30分スタートの10キロ・5キロの選手が並走して、登大路は人で埋め尽くされた。選手が通過する間は道路横断ができないので、近鉄奈良駅の地下通路は貴重な連絡通路となり、自転車を担いで階段を昇降する姿も見られた。
10キロ・5キロの選手が全員通過した後に、奈良交通の貸切車2台が鴻池方面から高天交差点を右折し、国道369号線の北側車線をゆっくり西進していった。目的は確認できていないが、棄権選手の輸送車とみられる。
東向交差点付近での競技の模様。国道369号線は南端の1車線を除いて、すべてマラソンコースに充てられた。 (東向交差点付近 9時45分頃)
定期観光バス
当日は「A2 奈良公園3名所」と「A3 奈良公園3名所と春日奥山めぐり」は運休したが、「C 法隆寺・西の京」は、近鉄奈良駅ののりばを変更して運行した。
通常は奈良ラインハウス前から発車するが、当日は会員バスのりば(近鉄奈良駅前交番横)から発車した。乗客は係員の誘導により、奈良ラインハウスから近鉄奈良駅の地下通路を通って会員バスのりばに移動した。
会員バスのりばから発車した定期観光バス。 (近鉄奈良駅付近 10時頃)
一部解除
10時40分頃、国道369号線県庁東交差点以西の規制が解除された。
この頃から順次、シャープ前方面の各路線と、三条大路方面の路線のうち奈良富雄線(48系統)が通常運転(近鉄奈良駅発着)となった。ただし、三条大路方面の他の路線は引き続きJR奈良駅で折り返し、12番のりばから発車するため、奈良富雄線も引き続き12番のりばから発車した。
近鉄奈良駅までの運行を再開した奈良白土線のバス。 (JR奈良駅1番のりば 10時40分頃)
周辺の状況
8時頃から15時頃まで、佐保山線は高の原駅-佐保台三丁目で運行し、通常は早朝深夜にしか見られない[117]系統の行先表示が見られた。
加茂線は加茂駅-南加茂台五丁目の運行と発表されていたが、実際には加茂駅-京内橋で運行していた。
この日は1万5千人を超える参加者が大和路を快走し、沿道では多くの観衆が声援を送った。観光客が減少する冬の奈良を盛り上げた点でマラソン開催の意義は大きい。他方、奈良市旧市街地の広い範囲で長時間にわたって公共交通が途絶えたことによる市民生活・観光への影響は無視できない。
奈良マラソンは来年以降も継続して開催されることが決まっているが、次回以降はコース選定や交通規制等において、市民や観光客に影響の少ない方策がとられることを期待したい。
情報源:奈良交通グループホームページ、奈良マラソン2010サイト
情報提供:葛城太郎様
写真撮影:829(2010年12月5日、撮影場所は写真そばに記載)