奈良交通は奈良法隆寺線、奈良富雄線、六条山線、済生会奈良病院線の三条川崎町-南添川の迂回運行を10月3日で終了し、10月4日から元の経路で運行する。
JR奈良駅付近連続立体交差事業の大森跨線橋撤去工事に伴い、2006年6月14日から都市計画道路三条本町線を経由していたが、大森跨線橋の撤去並びに街路の整備が完了したため、大森町交差点を経由する元の経路に戻る。
ただし、大森町の南行停留所は右折車線への車線変更が危険であるため通過扱いとし、南添川の西行停留所は道路拡幅により停留所設置に適した場所がなくなったことから廃止する。
迂回路として経由していた三条本町線は、地上の線路跡をくぐっていた地下部分を埋め戻し、平面道路として再整備される予定である。
情報源:奈良交通グループホームページ、奈良県土木部JR奈良駅連続立体・街路事務所サイト
情報提供:奈良橿原線様
2010年12月5日、「奈良マラソン2010」が開催された。奈良県で公認フルマラソンが行われるのは初めてであり、広範囲・長時間に及ぶ交通規制の影響が懸念されたことから、奈良交通は広範囲にわたる路線を8時から15時まで運休するなど、前例のない措置をとった。
早朝の選手輸送から午前の交通規制解除まで、奈良マラソン当日のバス運行の状況を追った。
[関連記事] 「奈良マラソン2010」開催日の運行 (2010年12月4日)
選手輸送
奈良マラソンは各種目あわせて1万7千人(定員)が参加する。スタート地点の鴻ノ池陸上競技場に向けて早朝から臨時バスが運行された。車両は奈良・平城営業所の長尺車が充てられた。
午前7時を過ぎると、電車の到着にあわせてバスのりばに数多くの参加者が押し寄せ、バスのりばには長蛇の列ができた。
混雑のピークは7時30分頃。中にはバスに乗るのをあきらめて徒歩で競技場を目指す参加者もいた。しかしピストン輸送の結果、混雑は程なく収まり、8時頃には臨時バスの運行は終了した。
日の出前から臨時バスの運行が始まっていた。 (近鉄奈良駅13番のりば 6時40分頃)
午前7時を過ぎるとバスのりばに列ができはじめた。 (近鉄奈良駅13番のりば 7時頃)
JR奈良駅7番のりばの様子。長蛇の列ができている。 (JR奈良駅7番のりば 7時20分頃)
反対側から見た様子。列は7番のりばから北(写真奥)に延び、南(写真手前)へ折れて、再度北に延びている。 (JR奈良駅7番のりば 7時30分頃)
交通規制開始
8時頃から市内循環はJR奈良駅止めとなり、青山住宅線や奈良天理線なども順次運行が打ち切られた。8時19分に[70]春日大社本殿行きがJR奈良駅を出発し、近鉄奈良駅・奈良公園方面への運行は一旦打ち切られた。
これ以降、シャープ前・三条大路方面の路線はJR奈良駅で折り返しとなった。バスの行先表示は通常どおりであったが、「JR奈良駅止メ」と書かれた紙が貼られたバスもあった。
三条大路方面の路線は、通常はJR奈良駅10番のりばから発車するが、折り返しの都合上、規制時間中は12番のりばから発車した。
近鉄・JR奈良駅のバスのりばには正月輸送を上回る規模で係員が配置され、乗客の誘導・案内に当たった。
8時19分発の春日大社本殿行きをもって、近鉄奈良駅方面への運行が打ち切られた。 (JR奈良駅1番のりば 8時20分頃)
JR奈良駅で折り返す奈良法隆寺線のバス。通常ののりばである10番のりばはここより手前にあるため、規制時間中はのりばを変更した。 (JR奈良駅付近 8時45分頃)
競技の模様
9時スタートのフルマラソンの選手と9時30分スタートの10キロ・5キロの選手が並走して、登大路は人で埋め尽くされた。選手が通過する間は道路横断ができないので、近鉄奈良駅の地下通路は貴重な連絡通路となり、自転車を担いで階段を昇降する姿も見られた。
10キロ・5キロの選手が全員通過した後に、奈良交通の貸切車2台が鴻池方面から高天交差点を右折し、国道369号線の北側車線をゆっくり西進していった。目的は確認できていないが、棄権選手の輸送車とみられる。
東向交差点付近での競技の模様。国道369号線は南端の1車線を除いて、すべてマラソンコースに充てられた。 (東向交差点付近 9時45分頃)
定期観光バス
当日は「A2 奈良公園3名所」と「A3 奈良公園3名所と春日奥山めぐり」は運休したが、「C 法隆寺・西の京」は、近鉄奈良駅ののりばを変更して運行した。
通常は奈良ラインハウス前から発車するが、当日は会員バスのりば(近鉄奈良駅前交番横)から発車した。乗客は係員の誘導により、奈良ラインハウスから近鉄奈良駅の地下通路を通って会員バスのりばに移動した。
会員バスのりばから発車した定期観光バス。 (近鉄奈良駅付近 10時頃)
一部解除
10時40分頃、国道369号線県庁東交差点以西の規制が解除された。
この頃から順次、シャープ前方面の各路線と、三条大路方面の路線のうち奈良富雄線(48系統)が通常運転(近鉄奈良駅発着)となった。ただし、三条大路方面の他の路線は引き続きJR奈良駅で折り返し、12番のりばから発車するため、奈良富雄線も引き続き12番のりばから発車した。
近鉄奈良駅までの運行を再開した奈良白土線のバス。 (JR奈良駅1番のりば 10時40分頃)
周辺の状況
8時頃から15時頃まで、佐保山線は高の原駅-佐保台三丁目で運行し、通常は早朝深夜にしか見られない[117]系統の行先表示が見られた。
加茂線は加茂駅-南加茂台五丁目の運行と発表されていたが、実際には加茂駅-京内橋で運行していた。
この日は1万5千人を超える参加者が大和路を快走し、沿道では多くの観衆が声援を送った。観光客が減少する冬の奈良を盛り上げた点でマラソン開催の意義は大きい。他方、奈良市旧市街地の広い範囲で長時間にわたって公共交通が途絶えたことによる市民生活・観光への影響は無視できない。
奈良マラソンは来年以降も継続して開催されることが決まっているが、次回以降はコース選定や交通規制等において、市民や観光客に影響の少ない方策がとられることを期待したい。
情報源:奈良交通グループホームページ、奈良マラソン2010サイト
情報提供:葛城太郎様
写真撮影:829(2010年12月5日、撮影場所は写真そばに記載)