八木新宮線旧型車両ラストラン
1992年から八木新宮線の専用車両として運行されてきた旧型車両(日野U-HU3KLAA)が、2月27日をもって運行を終了した。
奈良交通は、ホームページで旧型車両の運行予定を公開したほか、26日の八木駅発最終運行では特製のゲレットを掲出した。
26日は八木駅11:45発新宮駅行きの便で運行した。乗客が増えることが予想されたため、発車直前は2台待機していた。
27日は新宮駅7:46発八木駅行きの便で運行した。14:30頃、定刻より少し遅れて終点八木駅に到着した。
八木新宮線旧型車両(日野U-HU3KLAA)のあゆみ
この車両は、八木新宮線に向けた久々の新製車両として1992年7月に登場した。貸切車両を思わせる配色と、全長は短いながらも高出力エンジンを搭載する仕様は独特のものであった。
当初は9台導入されたが、運行本数が減少したため他の路線に転じる車両もあった。事故のため1台が廃車されたのち、2013年以降は残る8台すべてが八木新宮線の運行についていた。
2011年9月に発生した紀伊半島大水害では、しばらくの間部分運休を余儀なくされたが、復旧後は地域の復興を応援するシンボルとして活躍した。
2013年には、八木新宮線の開通50周年を記念して、6台を対象に沿線の観光地の写真がラッピングされた。
2015年にバリアフリー対応の新型車両が導入され、翌年から旧型車両の廃車が始まった。2016年1月に3台、同11月に3台が廃車され、最後まで残った2台がこのほどラストランを迎えた。